2008/12/31

Detail Japanの休刊

年末の挨拶をしたばかり、しかもあと2時間ほどで年が変わろうとしているが、一言。

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部屋を整理し、たまっていた書籍・雑誌を読んでいたところ、最新号のDetail Japanの巻頭に休刊の挨拶が。結構この雑誌が好きだったので残念。SDとか建築文化とか10+1とか、自分の好きな雑誌がどんどん休刊していく気がする。現在発刊されている建築雑誌のほとんどが作品紹介の雑誌になってしまうことが少し残念に思える。それが今の建築の流行なのだろうか。

雑誌といえば、建築ラジオにて、建築雑誌について討論している回かあった。このラジオはポットキャスティング形式にて配信されており、すでに知っている人も多いと思う。その中で、実は名古屋が始まりの建築雑誌があるといった旨の話をしていた。例えば「建築ジャーナル」とか。私が学生の時は、名古屋は建築不毛の地と言われ、また愛知万博自体も不評のまま(?)終わり、より一層後退していく印象があったが、意外や意外、そんな名古屋発信の建築雑誌があったとは。

そして名古屋で実際に生活をしてみて、意外にそれなりの建築の動きがあることを実感している。それは自分がもっと建築後進国である秋田から移り住んだからそのように思えるのか、ただかぶれているだけなのか、いまいち客観視できてない部分もある。ただ熱い意思を持っている人が存在していることは確か。

自分が社会や建築をどうこうしようとは恐れ多いし、思ってもいない。自分の好奇心の範囲で行動し、その結果が、自分のすぐ近くの何かに反映されれば本望である。決してメディアに大きく取り上げられ、もてはやされることだけが、回答ではない気がする。
それを強く意識できれば、活動する場所が"東京"であれ"秋田"であれ変わらないし、それが建築の本質なのかなと考えたりもする。

…けど仕事のある無しは重要だけどね。

2008/12/28

年末です。

今日で仕事納め。日曜日なので、大掃除を午前中で終え、お開き。
…ただ、仕事は山積みなわけで、結局正月休みの一週間、日の出ている時間ぐらいは仕事しないと、ノルマに追いつかないのが現状。まぁこのご時世、好きなことで仕事があるだけでもありがたい。

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思えば大きな転機を迎え、バタバタした一年でした。
仕事を辞める、そして新たな仕事を始めるという経験は、なかなか貴重なものでした。その出来事自身から学べることもあるのですが、その間にある空白の期間にいろいろと考えることが出来ました。今年はじっくりと考える期間を得ることが出来たことが大きいと思います。

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そして報告が遅れましたが、結婚しました。
知人の皆さんには、あらかじめ大体の時期を話していますので、あまり驚かれないかと思います。
所帯を持つわけですが、未だカミさんの方が私より収入があるわけで、資本主義の原理からすると私の立場の方が若干弱いわけで、そうなるとよりいっそう実感がわかないのが現状です。

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それにしても、今年も更新頻度の少ないブログになってしまいました。
来年こそは…と意気込むのを止めて、マイペースに、ただいくらか"去年よりは更新している"程度に、来年も続けていこうかと思います。だたこれまでの様な日記に加え、少しは真面目な内容の記事を増やせればなと思います。

それでは皆さん、よいお年を。

2008/11/08

近況と業務連絡

いい加減仕事にもなれてきました.
住宅をやりつつ、病院をやりつつ、食堂施設をやりつつです.
事務所の意匠設計は私を含めて二人.嫌が負うでもやらなければ.
けど幸せな環境.

といってもまだ3ヶ月.初の担当作の竣工は来年の4月です.
できればオープンハウスとかが出来ればと思ってます.
そのときは案内します.

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iphone、買いました.で、業務連絡です.

MNPで携帯を変えましたので、電話番号はそのままですが、
メールアドレスが変わりました.

@マークより前は従来と一緒です.
その後が変わります.
(従来のアドレス)@i.softbank.jp

一応メールで連絡はしますが、
念のため.

2008/09/27

新しい事務所で一ヶ月が過ぎました

何とか一ヶ月が過ぎ、何とかまだ働いています.夜遅かったり、休日が無かったりは予想範囲内なので良いのですが、ここまで自分が使い物にならないとは驚きでした.完璧じゃないにしろ、多少なりともこの業界で食っていくだけの、自信のかけらを得たつもりでしたが、そんなもの幻想でした.

毎日ダメだしはもらっていますが、二日に一度は泣きそうになります.けどパニック状態から心が落ち着くと、自分が乗り越えるべき壁があることへの幸福感がそこにはあります.それがある限りは続けていけるかと思います.

仕事以外に近況報告が出来るくらいの余裕がまだありませんが、気長に更新を待っていただければと思います.

2008/08/18

新しい事務所で仕事を始めています

いやはや、世の中は厳しいです.私は今まで、設計という仕事の1も知らなかった気がします.上辺だけの、そして小手先だけの提案では通用しない環境がここにはあります.自分の土俵で完全に論破され、そして納得させられたのは久しぶりです.
自分が超えるべき対象と思われる人が近くに居る、とても恵まれている環境です.
…まあ、一ヶ月後に同じことを言っていられるかな.

2008/08/11

初日

働き始め初日.朝事務所に行ったら、なんの説明もなく、住宅の外観に取りかかる.夕方、打合せをしたところ、突然明日打ち合わせである事を言われる.初日から良くわからないプレッシャーに追い込まれながら、プレゼン資料を作成.

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いきなり住宅を担当させていただくチャンスを得ました.40坪くらいで予算も多くありませんが、精一杯頑張ります.

2008/08/08

就職速報

えぇ〜と、月曜日に書類送付し、木曜日に面接とプレゼン、そして本日金曜日に内定の連絡を頂きました.住宅から幼稚園、ビル、官公庁、商業まで幅広く手がけている5人の事務所です.
来週月曜日から働き始めます.恐らく20代最後の職場でしょう(クビにならなければ).転換期は終わり、習熟の時期だと思います.泣くほど、頑張ります.期待に答えられるように.

2008/08/07

今日は面接でした.

試験が終わり、さっそく目当ての事務所にアプローチ.そして面接.とても丁寧な設計をしている事務所.技術もあり、多様な仕事もあり、けど下請けはなく、小規模事務所.特に近くに構造の出来る人がいるのが嬉しい.設計の職人を目指す私にとって、これぞ望んでいた場所.
いろいろ聞かれた末、来週から来れるか?と聞かれる.当然OK.あとは待遇面の詰めのみっぼいです.大どんでん返しが無ければいいけど.あれだけ来る来ないの話をしていたのに、ダメだったら人間不信になりそうです.
それにしても笑顔で「俺は仕事に厳しいよ」と言われ、ビビる反面ちょっと嬉しかった.ルーティンワークと温い環境から抜け出したかったわけで、望むところ.

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そんなわけで知人へ業務連絡.(見てるかどうかわかりませんが)

名古屋の皆さんへ…無事決まりそうです.今度情報交換でもしましょう.

東京方面の皆さんへ…時間的な余裕がなくなったため、盆を絡めて東京に立ち寄ることが出来ません.顔ぐらい会わせたかったんだけど.今度別の機会に立ち寄ります.

秋田の皆さんへ…純粋なお盆+土日は帰郷予定です.ただし、18切符による移動のため、13日と16日17日は移動で消化します.

2008/08/06

国際陶磁器フェスティバル美濃

3年ぶりに磯崎新氏設計のセラミックパーク美濃へ.国際陶磁器フェスティバルの入賞作品鑑賞が目的.
…現代工芸、現代美術の想像性は私にはよくわからないが、それを表現するための技術は確実に進んでいることを実感.技術を泥臭いままではなく、洗練された姿としてみるのもたまにはいい.

2008/08/05

長谷川豪氏の講演会

"物を造るためにウンチクを語るのではなく、
人を動かすためにウンチクを語る."
というキーワードから始まった講演会.今回のレクチャラーは長谷川豪氏.

前述した言葉が表しているように、その場所がそうなるべきストーリーを明快に組み立てて、設計している印象を受けた.特に難しい言葉を羅列せず、誰もが分かる言葉で状況を読み解いていく.その姿勢は、素人であろうお施主さんからすると好感を持てるだろうし、考えを理解されやすいだろう.一言で言えば説明上手.それは実作を造っていく上でとても大事.
ただそのストーリーの中で一カ所だけ飛ぶ部分が存在する.それが作品の中に長谷川氏らしさを表している.それは「身体と外部環境との関係性」である.「身体との関係性」なんて言葉を持ち出すと空間論を語るのかと思われそうだが、そうではなく、内部環境を飛び出した外部環境と身体を直接繋げるのだ.その考え方は過去に話を聞いた保坂猛氏に類似しており、また比較的年代の若い世代に多い傾向なのかもしれない.
「身体と外部環境との関係性」を解き、どのように表現するかが作家性の現れるところで、長谷川さんの場合は、内部から外部にアプローチするように考えていき、スケールとプロポーションによってそれらを表現する.それに純粋に特化するように、設計方法はひたすら模型スタディらしい.例えばとあるプロジェクトでは1200におよぶ模型を作成.その模型は質感や素材はなく、スチレンボートの白のみだが、洗濯物から備品にいたるまで細やかに造られている.

"人は、心の内部に構成されるイメージや内的表象によって、周囲の環境や社会や自己を認識している。例えば、事物を認識するということは、五感からの刺激と自分が作った内的表象とを照り合わせることである。"とは認知心理学における「人と外部環境との関係」の考え方である.今回の長谷川さんの話はそれに近い考えである印象を受けた.人が住宅外部の環境をどう認識するのか、それは身体のおかれている状況によって決定されるということ、そしてそれを設計するというスタンスである.

長谷川氏の淡々と語る口調とは裏腹に、とても建築に対し熱意をもっていることが感じられた講演会でした.

2008/08/04

高校野球速報

出身地の高校「本荘高校」が負けちゃいました.
最後まで粘りを見せたんだけどね.投手の池田君、頑張った!!
…それにしても、アナウンサーの高校名称の呼び方、とても気になりました.
「秋田の本荘」「秋田の本荘」って.相手は「鳴門工業」なのに.「本荘」だけでいいじゃん.

構造家とは.

就職活動中です.いろいろ考えましたが、これが自分の長所を一番延ばすことができるのではないか、というところに働きかけています.

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ヴィヴィット・テクノロジーを読む.去年行われた構造家の講演記録.
昨今の建築デザインは、構造に直結したものが多いのはご承知のとおり.実務に携わるようになって改めて実感させられるのが、構造的センスの重要性.意匠設計者でも、そのデザインが構造的にいけそうかいけなさそうか、その感覚は必要である.それはやりたいデザインを実現するための構造的センスも必要であるが、無意識のうちに制限している"構造の限界"を開放し、自由に考えるために必要である.
構造家の講演記録とは言え、決して難解な言葉や数式で綴っているわけではなく、彼らの実作品における構造の解説から始まり、建築家と構造家、意匠と構造の関係性をどのように考えているか、そしてこれからどうすべきかを答えている.講演者一人一人の考え方が明確に現れている.また実践に即した講演内容のため、私の意識に素直に訴えるものがあり、おもしろい.むしろこの内容は構造を目指す人ではなく、意匠を目指す人は必ずと言っていいほど読むべきバイブルなのではないか.
ご一読あれ.なんかそんなに発行部数は多くないみたいなので、お早めに.

2008/07/28

資格試験の報告

だめでした.まだ結果は出てませんが、予想です.
…試験前日、余裕こいて27時間テレビを徹夜で見たのがいけなかったみたいです.午後の試験中、1Hほど寝ちゃいました.えぇ、馬鹿です.
けど独学で無理って感じはしなかったので、来年再チャレンジです.

もし学科合格したら、もう少しゆっくりしようかと思っていましたが、そうも言ってられない状況なので、明日から仕事探しに奔走したいと思います.

以上、簡単ですが報告です.

2008/07/21

近況報告

試験勉強しながら、主夫をし、ゴキブリと戦い、ポートフォリオを創り、また試験勉強をしています.
いつになく家に閉じこもり、ひたすら勉強しているので、特に面白い出来事もなく.まあiPhoneが気になった事ぐらいかな.それにしても、他人と比較できないのが独学の難しいところで、模試の結果は分かるにせよ、やはり誰かと相談しながら勉強することの大切さを痛感しています.苦しさを分かち合えないのが余計に苦しい.
とりあえずスタート地点に並ぶために、あと一週間頑張るしかありません.

2008/07/12

トラフのレクチャー

今日は名古屋工業大学にて、トラフの鈴野氏がレクチャーをするということで、聴講.ちなみにこれは1ヶ月に1回程度行われている連続イベント.

これまで数多くのインテリア作品を手がけており、その紹介が中心.多くが何かしらのモチーフから連想されていることが多く、そのためコンセプトが明快である.また表現の中心となっているものに力を注ぎ、それ意外の部分は緩やかに表現することによりコンセプトを引き立てる、そのメリハリがよく効いていることが、よりストーリーを分かりやすくしている.
それら作品の表現部分に対して様々な挑戦をしており、その中でも質感に関するものが多い.ただし決して新素材に対する挑戦ではなく、ガラスやミラー、MDFやOSBなど、旧来からある素材をどのように加工し表現するか、その部分への挑戦が多いと言える.(名工大のセンセイの質問によると、決して新素材を避けているわけではないらしい)

個人的には作品を拝見したとき、対なる表現を同時に空間に作用させる部分に興味を抱いた.例えば、光と陰、マットとグロス、透過と遮蔽、外部と内部、現実と非現実.デザインの針がどちらに振れるでもなく、グレー部分を表現することにより、素材は新しくないが、空間として新しい表現を可能にしているのではないかと思う.

"建築"としてトラフの作品を見たとき、疑問を持つ人が多いかもしれない.それは作品へのアプローチが完全に"内から外へ"の発想であり、社会的意義の付けやすい"外から内へ"の発想からするとタブーとも言えるからだ.しかしそれは彼らの強みでもあり、それ故に多くの人を引きつけているのだとすれば、そちらが結果として正解かもしれない.
構築主義、はたまた建築論に捕われやすい私にとって、彼らのアプローチはとても新鮮で、新しい視点のあり方を学ばせていただいた.

2008/07/11

ただおさんの話をきく

朝日新聞社主催で「安藤忠雄と語る 環境都市創造〜名古屋からの提言〜」なんていうイベントを発見し、倍率3倍をナントカ当選し、話を聞きにいく.

…けどおもしろくなかった.安藤氏の話は、小話として、笑いとしては面白いのだが、何だか内容の無い話ばかりだった.その後のトークセッションも、話が噛み合ないまま、名古屋市長が一人でしゃべって一時間.

安藤氏の受ける名古屋の印象などを聞けるかと思ったのだが結局「名古屋はゴミを頑張ってますね」のみで終了.なんだか不完全燃焼.

2008/07/04

東海の建築家による近年のSD Review

「東海の建築家による往年のSD Review入選作品展」とその講演会に足を運ぶ.以前名古屋大学で行われていたのだが、諸事情により参加できず.そしたら名古屋市内の巡回展ということで、愛知淑徳大学にて再度聴講のチャンスが.



で行ってみたが、どうも想像と違う.展覧会としては、ちょっとこじんまりとしすぎているような気が.SDの展覧会ってもっとスゴかった気がする.(あとで聞いたところによると、名古屋の有志にて行っているため、本家のSD=鹿島出版会は関係ないとのこと)
展示内容は別にし、5組の講演(=作品プレゼン)はおもしろかった.「屋根裏空間を活用する農村住宅のように、空間を積層利用.さらに恒久的なデザインはアナログ(裸)という信念のもとデザインした」という山田氏、「空間利用の経年変化に対応するため、可変可能な構造とした」「建築協定を利用し、その商店街らしさを残す活動・提案をしている」という平野氏、「2重螺旋にヒントを得、L字型の敷地に街路を含めた2重螺旋の空間構成をし、職住を完全に分離するような住宅を計画」した鵜飼氏、「最小の行為空間を配置/積層させることで全体を計画」した小杉氏、「都市と内部空間を完全に分離し、手法の提案/実現に特化させるように取り組んだ」というD.I.G architectsのお二人、それぞれ「建築」へのアプローチの仕方・考え方がまったく違うだけに、いろいろな可能性を考えさせられました.ただ共通していたのは、どれもが提案者の主観が強く反映しているように感じたこと.時間が少ない中でのプレゼンだからそのように感じたのかもしれないが、おそらく本質にはもっと複雑なプロセスがあり、客観と主観の間で葛藤し、どこかに妥当性を見出し、展示のような提案をしたのだと思う.実施を前提とした提案を公募しているSDだけに、その部分をもっと突っ込んで聞きたかった気がする.
…それにしても、周りは大学生ばかり.いい加減年の差を感じ始めた日でした.

2008/07/02

ディーテイルジャパンの最新号を読んで

まよいの無いスケッチで何だかステキ.
(まっ竣工している作品ってのもあるけど)
ここまで巧くなりたい.そして英語堪能になりたい.

手塚さんのムービー

2008/06/29

ふと音楽の話

最近、ituneの曲を間違って全消去してしまい、これもいい機会だとポジティブにとらえ、ラジオを聞きながら、また自分のコレクションを増やしている最中.

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さっきラジオで知ったんだが、高橋幸宏が新しくグループを組んでるらしい.
で、気になって調べてみたら、これが最高.

pupa Offiial Web Site

(こっちで何曲か視聴できちゃいます)

高橋さんだけではない、この豪華な顔ぶれ.で、この質の高い曲.
若い頃は完全にロック大好きっ子だったのですが、どうも歳をとると(つってもまだ27ですが)ポップな曲が体に優しく響き、心地よい感じです.

2008/06/28

オープンハウス-TYPE a/b

えぇ、毎日勉強してますとも.

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そんな毎日にちょっと嫌気が差し、気分転換にオープンハウスに.
1) 2)  
3)
※ぜんぜんいい写真が撮れてません.分かりにくいのは許してください.
1) TYPE A/Bという名古屋のアトリエの作品.店舗併用住宅.全体の形状は直方体と至ってシンプル.部分的にネイビーのパンチングがデザインされており、内部/外部をボリューム的に接続している.その他外壁は、合板モルタルの上に弾性吹付.
2) 内部空間は、直方体の空間を約4.5畳ぐらいの単位で平面的/立体的にズラし、またその空間を分割するのに"壁=強い境界"と"床段差=弱い境界"を使いわけており、シンプルなボックスの中に複雑なプログラム構成が詰め込まれている印象.
3) 内部の壁仕上げについて、構造用合板を裏返し(表面は印字がしてあるため)にし、塗装.その粗暴な質感が、白と紺の中に陰影を与えており、面白い試みと思った.

いろいろ粗が目立つ(すみません、偉そうで.)とは言え、決して材料にお金を描けなくても、そして特異な形状を造り出さなくても、ボリューム構成や質感の使い方によって、豊かな空間を作り出せることを再確認できた.同行した連れ(建築に興味無)にも「楽しかった」と言わせるくらい、何か可能性を秘めた作品だった.何か機会があれば、今度は実際に使われた状況下にて、この空間をどのように感じることができるのか、体験してみたい.

2008/06/26

言葉の哲学

学生時代に研究室の先生から「"建築論"や"建築がわかる"と書いてある本は疑うべし」との言葉をいただいたことがある.この記事を読み、そのときと似たような感情を思い出した.

ココカラハジマル:サルでもわかるデザイン

この前提として、いつぞやからか"デザイン"とか"芸術"とか"美術"とか、はたまた"建築"とかが、高尚な次元の話だと一般的に認知されてきたことがあると思う.
別にそれらについて論ずるのはかまわないし必要なことだと思うが、それに対し世論の共通解として"正解""不正解"を導きだそうとするのには抵抗がある.だが実際はそんな所で成り立っている商売も多くあるわけで、その人達からしたら、結局私たちはマイノリティになるのかもしれない.
けど別にマイノリティでもいいと思う.自分を必要としてくれるクライアントがいるのであれば.そしてその中に生まれる何かを信じて進むのしかないのかもしれない.結局は自分を信じれるかどうかだ.

2008/06/23

送迎会とイベント告知

昨日は事務所の皆様より送迎会を開催していただきました.ありがとうございます.
立場が変われば価値観にも多少変化があるようで、これまでもしてきたような他愛もない会話の内容が、自分には重く、考えさせられました.
皆さんを失望させないように日々努力させていただきます.

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先日も谷尻氏のレクチャーをした連続イベントがまた開催されるとの連絡.

今度はトラフ.学生や建築ミーハー(私)が食いつきそうな方です.
もし興味のある方は是非参加を.

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今週号の週刊少年ジャンプ、こち亀にて「地下都市」について、取り上げています.ただ漫画と侮るなかれ.それなりにリアルな理論にて描かれています.建築に携わっている方は一度読んでみる事をおすすめします.

2008/06/21

渋谷駅

yahooニュースより.ダンジョンみたいだとの評判で見てみる.

…ドラクエとかFFのダンジョンより複雑かも.けどわくわく.

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上の写真を見ていたら、階段がレゴっぽいと思い、下記記事を思い出しました.
'Villa Savoye /LEGO' from aki's STOCKTAKING.
レゴでサヴォア邸って.すげぇなー、レゴ.

2008/06/19

無職の日々

特に仕事もなく、もくもくと勉強する毎日.ここまで引きこもって勉強をするのは10年ぶりくらいか.

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バベルを見る.シリアスな展開にちょっと気持ち悪くなる.
全体的に悲しみの感情で綴られているが、そんなことよりも、それぞれ孤立した事象が連続した結果大きな出来事につながり、偶発的に起こったように感じられる出来事も、実は個々の意識的行動の繋がりであることを強く感じさせられた.なんだがよく分からない"何か"に恣意的に誘導されている気分.旧約聖書では、世界中の言葉を分つ原因となったといわれるバベルの塔.タイトルからもこの内容にて伝えたいことが強く現れている.
それにしてもいろいろ気になるところは謎のまま.

2008/06/13

東京へ

人生の大きな転機の夜に深夜バスにて東京へ行く.(片道3150円!安い)
とりあえず様々な展覧会を見たかったのと、事務所の東京支所の方々へ挨拶するのが目的.
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で、朝に新宿に到着.目の前には、モード学園のコクーンタワー.建築っぽくない中腹部分のふくらみは名古屋と同様.ただ名古屋はどこか幾何学的なのに対し、こちらは有機的.植物の種っぽいし.
新宿の超高層ビル街の中にあって異彩を放っている事はたしかだが、全体的をガラスのカーテンウォールで覆っているあたりが私的にはNG.近代建築の中では先進的なのかも知れないが、ファッションを取り扱う学校が入るだけにもう少し多彩な表情が欲しかったような気がする.
その後代々木へ向かい、今回の第一目的であるシャネルのモバイルアート展へ.
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以前よりウェブサイトでその造形を見ていて、いかにもザハと感じた以上に、代々木体育館との対比が「そのために造られたんじゃないか」と思わせるぐらい合っていた.世界各国での巡回展なのでそんなことはないのだろうが.
実際にみると意外とこじんまりとした建物.それ故かザハ特有の「疾走感のあるデザイン」が感じられず、チープでどこかもっさりした感じ.まあ、ザハの他の作品は見た事ないし、こんなものなのか?
生憎の雨だったが、予約の取れなかった私にとっては好都合.なんとか開場から30分待ちで入場.
入場後渡される音声ガイドに沿って進んでいく方式.展示内容自体は特に感動するようなものはなかったし、空間自体もこれと言って評価するような部分が内容に感じた.ただ、アートのために造られた建築で、ここまで造形に偏った空間構成をしているのは、仮設建築ならでは.そういった側面からみると同じ仮設でも板さんコンテナとは違った、アートありきで建築にアプローチしたことを体験できたのは貴重.
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(1)(2)
その後時間が合ったので、第二目的の乃木坂周辺まで歩いていく事に.その途中発見した2枚.
(1)安藤さんの作品だったはず.いつの間にか空室に.使われていないところを見ると、せっかくの一流?建築もそれだけで三流になるから不思議.
(2)表参道のMVRDVとどっちが先だろう.
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言わずとしれた国立新美術館.ガラスとルーバーと曲線のファサードは、写真で見ていた時は"くどさ"と"単調さ"を感じていたのだが、実際は逆.恐らく体験すると分かるそのボリュームの大きさと、ファサードの複雑さに圧倒させられるのだと思う.
内部のゾーニングは極めて明快.たたそこにあのファサードと3層の吹き抜け、円錐が加わるとここまでダイナミックな空間になるのかと感心.
偶然やっていた「エミリー・ウングワレー展」を見る.私自身ここまで絵画に飲込まれたのは初めてというぐらい夢中になった.その土着的でバランスの取れた色彩感覚はもとより、まるで原風景を描いたかのような手法・表現、そしてわずか8年(だったと思う)の間にここまで多様な感覚を持って描く事が出来たということに驚き.
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国立新美術館を後にし、ギャラ間へ.ちょうどこの日から「グレンマッカート展」が開催.
恥ずかしながらこの建築家の存在をしったのは、彼がプリツカー賞を受賞したとき.そのときに見た作品写真に興味を持ち、彼について調べたのがきっかけで好きな建築家に.もともと「アルヴァ・アアルト」とか「ラルフ・アースキン」とか好きだったので、その流れがあるかもしれない.
今回の展示は彼のスケッチがメイン.というのも、彼は「手で覚え、手で考える」というぐらい手書きに対してこあわっており、またディテール対する熱意もあいまって、何十年と手書きによる作図と、スタッフを持たずに一人で作品を造ることにこだわっている.
どの作品についても、環境建築なのは共通しているが、そのディテールが彼の持ち味.特別な機能、特別な機構をしているのに、そのどれもが自然で無理の無い納まりをしている(おそらく彼自身は特別とは思っていないのだろうが).建築・設計をやっているひとなら、そのスケッチをみるだけでよだれもの.
…本当はこの日、グレン・マッカートが来日講演をするということで、有給を使い東京へ来たのだが、抽選から外れてしまい、結局話を聞けず.
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近くだったので、ミッドタウンと21_21デザインサイトへ行く.時間がなかったので駆け足.あまり記憶に残っていないので、評価はカット.
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以上、プチ東京旅行でした.
この後は、東京事務所の諸先輩方に挨拶をし、帰りの高速バスの時間も無視し、朝5時まで飲んで歌い、結局新幹線で名古屋へ帰りました.
松永さん、有馬さん、佐藤さん、次の日も仕事に関わらず、ありがとうございました.
また今度東京に行くときがあったら、是非お声を掛けさせてください.今度はボーリングで.

2008/06/11

大きな転機

今日が最終出勤日.
と、何も事情を知らない人はビックリしたでしょうが、6/15をもって今いる事務所を退職させていただくこととなりました.12,13日は有給、14,15日は会社の所定休日のため、今日が最終.

会社に待遇の不満は無数にあるにせよ、決してそれが会社を離れる理由ではなく、
1. ほぼフォーマットの決まった設計しかできなかったこと.
2. 建築に対する考え方が、会社のトップと決定的に合わなかった事.
3. 自分の将来像に向かって、何かしらキャリアアップしたい(というか、する必要がある)と感じた事.
4. 他の事務所の設計のやり方、建築に対するスタンスを肌で感じたい.
というのが大きいところです.

「これからどうするの?」とはよく聞かれますが、とりあえず一級の試験まではフリーランスという名の無職でいます.そして学科試験の出来具合を見て、またその後の動きを考えています.

とりあえず、何かしらの覚悟をもって、必ず今の時期に一級はとっておこうかと.

以上、報告でした.
今日はこのあと東京へ向かいます.

2008/05/10

拾う建築

午前中に仕事.午後有給をもらい、一級試験の申込書受け取り後、本屋で立ち読み.そして「谷尻誠のレクチャー」へ参加.

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昼過ぎ、外が騒がしいと思って見たら、なんだか事件があったみたい.


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[suppose design office]主催の谷尻誠氏の講演.最近私の中でアツい建築家.(といっても知ったのは今年の正月ですが)
自分の欲を押さえ、相手の要望を謙虚に受け止めた(+そこに飛躍した解釈を入れ込んだ)作品が多い.その作品を見ても「谷尻らしさ」はなく、一環性は感じられないが、どれもが挑戦的であり、建築的に統制された構築性と明快なコンセプトが私好み.

「立ち位置や状況変化により、建築の質は変化しないがそれを見るヒトの価値観は変化する」という事を重視し、「"周囲と同一化された価値観"を表現するのではなく、"施主の主観による価値観"や"土地の個性"の顕在化を目指す」ことを考えているとのこと.特に一般的にマイナスと思われている要素の価値を見出すことが好きらしく(氏曰く天の邪鬼らしい)、そういった避けられる(捨てられる)要素・価値を拾いだす建築が好きらしい.

非常にラディカルな部分から出発し、そこに施主要望の再解釈が加わり、建築化していく、設計の一連の流れは明快なストーリ性を持っていて、ロジカルな印象を受けた.
「誰よりも不真面目に考え、誰よりも真面目に造る」「スケッチやモックアップよりも、まずは考え方を考える」とう氏の発言からも、その考え方を伺う事が出来る.

谷尻氏は非常に、要望の引き出し方、観察力と連想力、要望の再解釈、の3点が巧い人だという印象を受けた.パッと見は近所にいるさわやかなお兄さんキャラなのだが、例え上手・説明上手であり、非常に面白いレクチャーだった.

2008/05/08

今日のためになった話

朝から岡山経由の出雲行き.1.5hの打ち合わせを終え、名古屋へ戻るとすでに23時.連休明け早々少し疲れた.

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やはりノイズは大切な要素.

というのも、一緒に打ち合わせに参加した方から、音楽の"音のトオリ"の考え方を聞く.
その方はバイオリンをやっているらしいが、コンサートホールなどでも、ノイズが全くない状況での演奏だと音のノリが悪く、多少ノイズがある方がそのノイズに音がノルため、音のトオリが良くなるらしい.
一般にホールの設計で、残響時間を適正に設定するように計画するのがいわゆるそれなのかもしれない."レコードや真空管アンプの音がより音楽らしく聞こえるのは何故か"という部分についても、いまだ具体的な原因については論争があるらしいが、「ノイズに音がノル」からという表現・理由が、抽象的ではあるが個人的に納得させる言葉である.

そんな話を聞き、建築的な表現にもその考え方を当てはめたらどうなるかな と考えてみる.
ノイズというのは、必要な部分を定めたときに不必要となる部分の事.だたしおそらく、必要不必要を決めるのは判断を行う人の主観であり、それを決めること自体がすでに恣意的であると言える.極論を言うと"ノイズ"とは、唯一誰の意図も込められていない事象なのかもしれない.

ノイズを拾いだし、繋げていく事により新しい建築の形態が生まれる可能性はないだろうか.人の意思のない客観性の固まりみたいな何かが…
…まあ誰かが着目した段階で意図性が発生するけど.

という良くわからない問答を往復6時間の車のなかで、悶々と考えてました.

2008/05/07

インドアな4連休

結局4連休になるもどこにも出掛けず、ひたすら勉強でした.
やったことと言えば…

・テレビをみて食べたくなった「バーニャカウダ」を作った事.
 TOKIOのでている番組を見て.イタリアのとある地方の伝統料理らしく、新鮮生野菜を暖かいドレッシングにつけながら食べるという、なんかオシャレなメニュー.簡単に作れるので、興味のある方は作ってみては.

・近所の地鶏専門店に行き、地鶏三昧だったこと.
 お知り合いの方、もしよければ案内します.めちゃくちゃおいしかった.並べてあるお酒も最高.

まあこんな生活もあと数ヶ月.

2008/05/04

ちょっと建築

中村竜治設計の商業店舗.
家の近く.買い物帰りに.

驚き

半年に一度くらいの割合で友人のK氏と連絡を取る.(しかも大抵は向こうから連絡をもらう形ですが.スミマセン.)
お互い近況報告をしつつ10分、K氏が「200時間の残業するぐらいの忙しさだ」なんていうたわいもない話から、そもそも今はどこで働いているのかと尋ねると「ICBA」だと.最初はピンと来なかったが、途中でびっくり.ICBAとは「建築行政情報センター」、端的に言うと行政とわれわれ設計者の間に入って、確認申請に係る相談(今は改正建基法がメインだが)に載り、解決するお仕事をしているところ.
「朝から晩まで相談が絶え間なくあり、どれもがなかなか即答しづらい内容ばかり」とか「ときどき構造設計者の切実な生活状況が見え隠れする相談連絡がある」とか、想像はできるものの思っていた程度よりも悲惨でリアルな状況が、見え隠れする話ばかり.彼はそれに対応するため最近1週間は家に帰宅できていない状況だとか(当然GWも無).
やり取りをしている国交省の担当者も同じように忙しいらしく、やはり徹っちゃんは当たり前のご時世らしい.
そんな話を聞くと、事務所勤務なのに4連休をしっかりととっている私はちょっと罪悪感を感じる.
以上、ちょっとだけ行政の人間に同情をするお話でした.

いつの間にか

いつの間にかHPのカウンターが10000を超えていました.

2008/04/02

出張ついでに

新潟の案件について検査関係を終え、まだ飛行機まで時間があったので、ちょっと脚を延ばして建物見学へ.

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青木淳の遊水館を見に行こうかとレンタカーを走らせていたところ、変わった中学校を近くに発見.安藤忠雄設計の葛塚中学校.学校周りをうろうろしていたところ、職員を発見.頼み込んで見学させてもらいました.

まずは体育館.楕円錐をひっくり返したようなボリューム.中に入ると木の囲いの中にRCの躯体.姿・形は違えど、雪国の蔵を連想させました.
2FLレベルで外周沿いにスロープがあり、その中央に運動コート.屋根は木鋼の張弦梁構造による軽快な表現で、中央にスリット状のトップライト、壁面にハイサイドライトもあり、閉鎖的な外観からは想像できない軽快さ.その軽さの中に重厚なRCを入れ込むというなんともらしい表現.

教室棟は円弧上のプランニングがされており、1Fはピロティ、2Fからのアプローチとなっている.円弧の中心側が運動場、それにそって廊下、円弧の外側に教室という配置.
帰宅間際の職員の方にお願いをし、駆け足で見回ったため、あまり細かいところまでは見れなかったのが残念.けれども偶然に職員に出会え、忙しい中快く見学許可してくださったことは感謝の一言に尽きる.
今度はしっかりと事前許可をもらい、じっくりと見学してきます.

2008/03/28

日記ではないどうでもいい話ですが.

いやはや、このサイトはいつ見ても刺激的な記事を載っけてくれます.
知っている人も多いと思いますが.
http://www.dezeen.com/

2008/03/24

大須の町

5連休に1800kmを車で走破した影響もあってか、めちゃくちゃ体が気怠い.会社は悪い気がしましたが、休ませてもらいました.
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で家で安静にしていたら、重大事項を思い出し、急遽外出.
(5連休に違反切符を切られ、違反金を取られるはめに.)
その途中でいろいろなものを発見.

かつて、おそらく手前の駐車上には建物があったのであろうが、そんな推測がどうでもよくなるくらいおもしろい.断面形状もだし、トタン錆びの色もだし、そのグラデーション・パタンもだし.

特にコメントなし.ちょっと変わっていたから.

なにかが、こっちを見てる!!

2008/03/19

秋田帰省の旅

3/19〜24に5連休をいただき、実家の秋田へ帰省の旅.そのついでにいくつか建物探訪.
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【ねむの木子ども美術館】
言わずと知れた藤森センセイの共同作品.事前に場所を調べて行ったものの、実際は掛川の山奥.部分的に一車線ぐらいの道路がありつつ、そこに対向車がきつつ、なんとか到着.

別名「どんぐり館」と呼ばれてるだけあって、真っ先に目に飛び込むのは大きなボリュームの屋根.しかし威圧的な印象はけっして受けない.その場所の土着性を引き出す事が上手な証拠か.
そのどんぐり屋根の仕上げは何かは(知識のない)私には分からずじまい.多分銅板かな?遠景からのイメージとは違い、近寄ってみるとその泥臭いデザインとは違い、細かな部分にまで気をつかったディテールをしている.

壁面はしっくい.実務の中でも実感するが、"白"は自然色でもなく人工色でもなく.その質感や微妙な表現の差を如実に表してくれる(もしくは現れてしまう).その点、この美術館のしっくい"白"は、周囲にはない色相ながらも、自然色として周囲になじんでいた.
それにしてもこの壁面の花の絵がかわいい.聞くところによると、子どもたちが描いた絵だとか.
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【ねむの木子ども美術館(旧)】
続いてドングリ館の更に奥にある旧美術館へ.

こちらはただ今休館中で内部見学できず.屋根の構造は、一時期坂氏がよくやっていた紙によるハニカム構造.特にコメントなし.
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【紙の美術館】
焼津でマグロとカツオを食べた後、場所を移動し、三島にある特種製紙株式会社所有の紙の美術館へ.

坂氏の作品.プロフィリットで周囲を覆われたガラスの箱.正面中央は、こちらも別の作品でやったガラスのシャッター.他にもいろいろな部分が可動になっているそうだが、この日は雨のため見せてもらえず.
内部は中央にアトリウムがあり、3層+1の室がその両側にある構成.その明快なゾーニングによって、透明感をより演出している

中央の上部はテントになっており、特に照明はなし.明るさは確保出来ていたが、雨天のこの日は雨音の五月蝿さが結構気になった.

で、展示室.
主要目的は建物を見ることだったが、それ以上に展示内容に目を奪われた.正直特種製紙という会社自体知らなかったが、意外と身の回りの多くがここの会社で作られた紙.そのひとつひとつを紹介するのは難しいが、代表的な例は書籍の表紙かな.
紙の持つ機能性と質感、可能性について、いろいろ勉強をさせてもらった.

ちなみにガラスシャッターはこんな納まりになっています.
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【神奈川工科大学KAIT工房】
最後に神奈川県厚木へと行き、閉館間際のKAIT工房へ.
竣工して以来、雑誌やネットで話題.その設計者である石上さんも、最近の話題の人.
ネットや新建築で写真を見たが、どうもその透明性や身体間隔がつかめず、実際に見てみたいと思い、大学にお願いし見学.

外周は透明ガラス、内部は間仕切り一つなく、柱だけ.その柱も、鉛直荷重を受け持つ80角ぐらいのコラムと、水平荷重と偏芯バランスを受け持つフラットバーのみという、徹底.しかも施設の方の話では、そのフラットバーは200本近くあるが、ひとつとして同じ角度はないらしい.スゴい.

家具や植栽も設計者の意図がこもっている.が、ちょっとチープ.

設備とかどうしているのかと思い周囲を探すと、発見.通路挟んで別の場所に表しでおいている.なお施設への引き込みはすべて地中.

外部形態のミニマルを強調しているのは、この床納まり.外壁(ガラスと笠木)部分をベタ基礎から浮かせて持ち出す事により、建物全体の質量感を軽減している.

で、写真でみるとキレイなことはキレイなのだが、実際にはよくも悪くも物質感が満ちあふれていた.しかもうっとおしいくらい.あの柱が各ゾーンでの人の停滞をアフォードするかと思いきや、特になにも感じず.
…けど夏は暑いし、直射日光ガンガンだろうな.局所的にしかスクリーンは設置していなかったし.あと屋根は方流れなのだが、当日の雨のなか、水下側のガラススクリーンは滝状態.床スラブにも少し水が染みてた.こういった作品に求めるのは違うのかも知れないが.(施設の方に問題点について聞いたところ、やはり同感の様子.クレームを上げ、対応してもらう意向とのこと.)
問題点は分かりやすいくらい多く存在したが、デザインの極論としてのチャレンジや努力も、分かりやすいほどに感じることが出来、自分自身の刺激になった.もし見学を予定されている方がいたら、施設の方がいろいろやっちゃう前に早めに見学することをおすすめします.

2008/03/16

近況

とある決断をしてから、時期が定まったせいか、前よりも精神的には健全な生活をしています.
最近は遅くてもその日に帰宅し、順調に勉強中です。

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近所にあるヨコミゾさん設計の住宅をパシャリと.


今週末に連休を作り、主に静岡あたりの建物旅行へと出かける予定です.