今日は名古屋工業大学にて、トラフの鈴野氏がレクチャーをするということで、聴講.ちなみにこれは1ヶ月に1回程度行われている連続イベント.
これまで数多くのインテリア作品を手がけており、その紹介が中心.多くが何かしらのモチーフから連想されていることが多く、そのためコンセプトが明快である.また表現の中心となっているものに力を注ぎ、それ意外の部分は緩やかに表現することによりコンセプトを引き立てる、そのメリハリがよく効いていることが、よりストーリーを分かりやすくしている.
それら作品の表現部分に対して様々な挑戦をしており、その中でも質感に関するものが多い.ただし決して新素材に対する挑戦ではなく、ガラスやミラー、MDFやOSBなど、旧来からある素材をどのように加工し表現するか、その部分への挑戦が多いと言える.(名工大のセンセイの質問によると、決して新素材を避けているわけではないらしい)
個人的には作品を拝見したとき、対なる表現を同時に空間に作用させる部分に興味を抱いた.例えば、光と陰、マットとグロス、透過と遮蔽、外部と内部、現実と非現実.デザインの針がどちらに振れるでもなく、グレー部分を表現することにより、素材は新しくないが、空間として新しい表現を可能にしているのではないかと思う.
"建築"としてトラフの作品を見たとき、疑問を持つ人が多いかもしれない.それは作品へのアプローチが完全に"内から外へ"の発想であり、社会的意義の付けやすい"外から内へ"の発想からするとタブーとも言えるからだ.しかしそれは彼らの強みでもあり、それ故に多くの人を引きつけているのだとすれば、そちらが結果として正解かもしれない.
構築主義、はたまた建築論に捕われやすい私にとって、彼らのアプローチはとても新鮮で、新しい視点のあり方を学ばせていただいた.
0 件のコメント:
コメントを投稿