2008/05/10

拾う建築

午前中に仕事.午後有給をもらい、一級試験の申込書受け取り後、本屋で立ち読み.そして「谷尻誠のレクチャー」へ参加.

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昼過ぎ、外が騒がしいと思って見たら、なんだか事件があったみたい.


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[suppose design office]主催の谷尻誠氏の講演.最近私の中でアツい建築家.(といっても知ったのは今年の正月ですが)
自分の欲を押さえ、相手の要望を謙虚に受け止めた(+そこに飛躍した解釈を入れ込んだ)作品が多い.その作品を見ても「谷尻らしさ」はなく、一環性は感じられないが、どれもが挑戦的であり、建築的に統制された構築性と明快なコンセプトが私好み.

「立ち位置や状況変化により、建築の質は変化しないがそれを見るヒトの価値観は変化する」という事を重視し、「"周囲と同一化された価値観"を表現するのではなく、"施主の主観による価値観"や"土地の個性"の顕在化を目指す」ことを考えているとのこと.特に一般的にマイナスと思われている要素の価値を見出すことが好きらしく(氏曰く天の邪鬼らしい)、そういった避けられる(捨てられる)要素・価値を拾いだす建築が好きらしい.

非常にラディカルな部分から出発し、そこに施主要望の再解釈が加わり、建築化していく、設計の一連の流れは明快なストーリ性を持っていて、ロジカルな印象を受けた.
「誰よりも不真面目に考え、誰よりも真面目に造る」「スケッチやモックアップよりも、まずは考え方を考える」とう氏の発言からも、その考え方を伺う事が出来る.

谷尻氏は非常に、要望の引き出し方、観察力と連想力、要望の再解釈、の3点が巧い人だという印象を受けた.パッと見は近所にいるさわやかなお兄さんキャラなのだが、例え上手・説明上手であり、非常に面白いレクチャーだった.

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