2008/06/13

東京へ

人生の大きな転機の夜に深夜バスにて東京へ行く.(片道3150円!安い)
とりあえず様々な展覧会を見たかったのと、事務所の東京支所の方々へ挨拶するのが目的.
---

で、朝に新宿に到着.目の前には、モード学園のコクーンタワー.建築っぽくない中腹部分のふくらみは名古屋と同様.ただ名古屋はどこか幾何学的なのに対し、こちらは有機的.植物の種っぽいし.
新宿の超高層ビル街の中にあって異彩を放っている事はたしかだが、全体的をガラスのカーテンウォールで覆っているあたりが私的にはNG.近代建築の中では先進的なのかも知れないが、ファッションを取り扱う学校が入るだけにもう少し多彩な表情が欲しかったような気がする.
その後代々木へ向かい、今回の第一目的であるシャネルのモバイルアート展へ.
---

以前よりウェブサイトでその造形を見ていて、いかにもザハと感じた以上に、代々木体育館との対比が「そのために造られたんじゃないか」と思わせるぐらい合っていた.世界各国での巡回展なのでそんなことはないのだろうが.
実際にみると意外とこじんまりとした建物.それ故かザハ特有の「疾走感のあるデザイン」が感じられず、チープでどこかもっさりした感じ.まあ、ザハの他の作品は見た事ないし、こんなものなのか?
生憎の雨だったが、予約の取れなかった私にとっては好都合.なんとか開場から30分待ちで入場.
入場後渡される音声ガイドに沿って進んでいく方式.展示内容自体は特に感動するようなものはなかったし、空間自体もこれと言って評価するような部分が内容に感じた.ただ、アートのために造られた建築で、ここまで造形に偏った空間構成をしているのは、仮設建築ならでは.そういった側面からみると同じ仮設でも板さんコンテナとは違った、アートありきで建築にアプローチしたことを体験できたのは貴重.
---
(1)(2)
その後時間が合ったので、第二目的の乃木坂周辺まで歩いていく事に.その途中発見した2枚.
(1)安藤さんの作品だったはず.いつの間にか空室に.使われていないところを見ると、せっかくの一流?建築もそれだけで三流になるから不思議.
(2)表参道のMVRDVとどっちが先だろう.
---

言わずとしれた国立新美術館.ガラスとルーバーと曲線のファサードは、写真で見ていた時は"くどさ"と"単調さ"を感じていたのだが、実際は逆.恐らく体験すると分かるそのボリュームの大きさと、ファサードの複雑さに圧倒させられるのだと思う.
内部のゾーニングは極めて明快.たたそこにあのファサードと3層の吹き抜け、円錐が加わるとここまでダイナミックな空間になるのかと感心.
偶然やっていた「エミリー・ウングワレー展」を見る.私自身ここまで絵画に飲込まれたのは初めてというぐらい夢中になった.その土着的でバランスの取れた色彩感覚はもとより、まるで原風景を描いたかのような手法・表現、そしてわずか8年(だったと思う)の間にここまで多様な感覚を持って描く事が出来たということに驚き.
---

国立新美術館を後にし、ギャラ間へ.ちょうどこの日から「グレンマッカート展」が開催.
恥ずかしながらこの建築家の存在をしったのは、彼がプリツカー賞を受賞したとき.そのときに見た作品写真に興味を持ち、彼について調べたのがきっかけで好きな建築家に.もともと「アルヴァ・アアルト」とか「ラルフ・アースキン」とか好きだったので、その流れがあるかもしれない.
今回の展示は彼のスケッチがメイン.というのも、彼は「手で覚え、手で考える」というぐらい手書きに対してこあわっており、またディテール対する熱意もあいまって、何十年と手書きによる作図と、スタッフを持たずに一人で作品を造ることにこだわっている.
どの作品についても、環境建築なのは共通しているが、そのディテールが彼の持ち味.特別な機能、特別な機構をしているのに、そのどれもが自然で無理の無い納まりをしている(おそらく彼自身は特別とは思っていないのだろうが).建築・設計をやっているひとなら、そのスケッチをみるだけでよだれもの.
…本当はこの日、グレン・マッカートが来日講演をするということで、有給を使い東京へ来たのだが、抽選から外れてしまい、結局話を聞けず.
---

近くだったので、ミッドタウンと21_21デザインサイトへ行く.時間がなかったので駆け足.あまり記憶に残っていないので、評価はカット.
---
以上、プチ東京旅行でした.
この後は、東京事務所の諸先輩方に挨拶をし、帰りの高速バスの時間も無視し、朝5時まで飲んで歌い、結局新幹線で名古屋へ帰りました.
松永さん、有馬さん、佐藤さん、次の日も仕事に関わらず、ありがとうございました.
また今度東京に行くときがあったら、是非お声を掛けさせてください.今度はボーリングで.

0 件のコメント: