2010/10/09

ティンバライズ展

名古屋は朝から雨.珍しく強雨.本当に雨の日は滅入る.

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名古屋で今日からティンバライズ展開始.今年の春、青山のスパイラルで行われた展覧会の巡回展.
会場は丸美産業本社ビル.高松伸の作品.1FはRCで2F以降は鉄骨.ただし、鉄骨の耐火被覆やバックマリオンを木で行っているため、広義では木のハイブリット構造となるかもしれない.カーテンウォールの奥に木の暖かみが見え隠れする、すっきりとした良建築.
ティンバライズとは、加工された木材を示す「timber」の使用をもっと促進させようという意味で「rise」を組み合わせた造語らしい.東大の先生が発起人となり活動を始め、10年ちょっとらしい.
展示の内容は、木造の可能性を示唆するもの.木造の加工性と耐火性の展示を中心として、実際に表参道に木造の公共建築が立ち並んだ場合をスタディし、提案しているもの.
10年くらい前に、木造の高層建築の法規制が緩和されたのは、学生身分ながら学会誌などで情報を得てはいたが、具体的な内容は元より、感覚的にも理解できずにいた.実際の仕事でも木造は扱うが、せいぜい住宅規模どまり.さすがに大規模・高層になると、S造・RC造の独壇場であった.
木材を高層建築にて利用する場合の構造的な見地、耐火性等をモックアップを使って具体的に提示しており、大変分かりやすい内容であった.また高層木造の提案内容も、ロールモデルとしては多種にわたっており、興味深かった.ただし、建築としての提案は未だ未成熟な点があり、模型をみても、構造技術がすごいという感想で終わるレベルであり、何故木造なのかといった決定的な部分に欠け、そのせいかデザインも深みがなく、反復作業のみでおわっているのが残念.
ただ、木の促進という目的と無料である点から考えると、すばらしい展示であると感じた.またティンバライズ展に併設し、高松事務所の木造計画案の巨大模型も展示有り.それだけでもすごく価値ある内容である.

その後、高松氏とティンバライズの腰原氏、名古屋市長の河村氏の3者によるトークセッション.…なのだが、河村氏の漫談が盛り上がったのみで大した内容はないまま終了.やはりこういったリアルタイムの掛け合いは、進行役の技量で善し悪しが決まるきがする.

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